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最終更新日:2011/12/06

はじめに

 奈良女子大学古代学学術研究センターの上野邦一先生をご存じですか?

 上野先生は、奈良文化財研究所・当大学生活環境学部に勤務し、長年カンボジアやベトナム・ラオスなどの遺跡の発掘と保存修復に携わってこられ、この分野における蓄積が豊富な研究者として活躍されています。

 とくに、2001年に上智大学アンコール遺跡国際調査団の、考古班責任者として上野先生が指揮をとられたバンテアイ・クデイ遺跡(カンボジア・シエムリアップ州)の発掘調査では、先生がトレンチを入れたところから、埋蔵された大量の仏像が発見されました。この発見によって、シハヌーク・イオン博物館が建てられることになりました。現在、この博物館を中心に研究拠点の一つが形成されています。

 2010年の春休みを利用して、センターの研究員ら3人に奈良女子大学と大阪市立大学の大学院生の2名を加えた5人は、仕事で現地にいらっしゃる上野先生の案内で、アンコール・ワットを中心とする遺跡の見学と、先生の研究成果を拝見するために、カンボジアに行ってきました。

日本は今、経済的に深刻な状況に直面し、近隣の諸国が経済成長をとげている中で、不況の底から抜け出せない厳しい状況に置かれ、不安と自信喪失を感じています。

 そのような中で、アンコールの遺跡群において、すでに日本の先駆者達がいち早く保存と修復作業の先鞭をつけ、その成果を上げているのを見て、そのような先見の目を持った日本人がいたことを誇りに思いました。

 さらにそれが上智大学アンコール遺跡国際調査団の「カンボジア人による、カンボジア人のための、カンボジアの遺跡保存修復」という基本理念に掲げられているところを実践しながら行われていることに、深く感銘を受け、そういった姿勢を貫かれている上野先生をはじめとする調査団の方々にあらためて敬意を表したいと思った旅でした。また、古代学研究センター周辺の私たちは専門分野がそれぞれ異なりますが、それぞれの分野で、微力ながらも学問や文化を支えていくことの大切さに気づかせてくれたように思います。

 少しでも多くの皆さん、とくに若い学生の皆さんに、アンコール・ワットほか、カンボジアの遺跡に興味を持っていただければと思い、ここに私たちの撮ってきた写真を掲載して、その魅力を紹介したいと思います。

お知らせ・ニュース

「アンコール遺跡群西トップ寺院遺跡保全プロジェクト」サイト開設のお知らせ
アンコール遺跡群 西トップ遺跡調査修復現場見学ツアー 第2弾 *終了しました
タンロン城王宮遺跡(ベトナム・ハノイ市)が世界遺産に登録されました
タンロン・ハノイ建都1000年記念式典が開幕しました(2010年10月1日)
上野邦一著『建物の痕跡を探る』(連合出版)が刊行されました。 → 連合出版のホームページへ