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アンコール遺跡群と参考文献

アンコール遺跡群に関する文献を、主に上野邦一先生の著作を中心に紹介します

総論

碑文研究

 アンコール王朝についての紙媒体の史料が残されていないため、その歴史を知るためには、各地の寺院や王宮、その他の建造物に残された碑文や、中国において真臘に言及している漢文の文献など、断片的な資料を手がかりとすることになります。碑文は現在までに1200箇以上発見され、フランス極東学院を中心にその解読が進められています。
 これらの研究の経緯については、次の文献が参考になります。

・石澤良昭「アンコール王朝発見史物語」(『興亡の世界史11、東南アジア多分明世界の発見』第二章、講談社、2009年)

また、アンコール王朝26代の王の足跡について碑文の記すところと対照させた研究として、次のものがあります。

・石澤良昭「碑文史料が綴る王朝の政治と社会」(同上、第四章)
・同『アンコール・王たちの物語 ―碑文・発掘請暇から読み解く―』(2005年初版、日本放送出版協会)

なお、次の文献はバンテアイ・クデイ遺跡の特集号となっているが、アンコール遺跡群全般についても重要な指摘や示唆が多く含まれているので、ぜひ参照されたい。

・『カンボジアの文化復興』(19)―バンテアイ・クデイ出土の廃仏274体研究概要および出土仏像・千体仏石柱目録特集―2002年、同上)
・石澤良昭「〈緊急報告〉アンコール・ワット付近から大量の廃仏発見(抜粋)― 約800年前の歴史を物語る発掘 ―」(上智大学アンコール遺跡国際調査団HP)
遺跡の保存と活用
・『文化遺産の保存と環境』(1995年、朝倉書店)

  *クメール文化の誕生の背景についても触れられています

各論

バンテアイ・クデイ遺跡
上野邦一「バンテアイ・クデイにおける発掘調査の略報告」(『カンボジアの文化復興』(5)、1988年、上智大学アジア文化研究所)
上野邦一「バンテアイ・クデイにおける発掘調査の略報告」(『カンボジアの文化復興』(7)、1989年、同上)
上野邦一「前柱殿中央部で発見した隅欠きの四角形の刻線について」(『カンボジアの文化復興』(11)、1989年、同上)
上野邦一「第14次発掘調査概報」(『カンボジアの文化復興』(12)1990年、同上)
上野邦一「第16次調査におけるラテライト建物の復原」(『カンボジアの文化復興』(13)1991年、同上)
上野邦一「バンテアイ・クデイにおける第19次発掘調査概要」(『カンボジアの文化復興』(14)」1997年、同上)
上野邦一「バンテアイ・クデイ建物一覧」(同上)
上野邦一(分担執筆)「バンテアイ・クデイにおける第30次発掘調査概報―東参道D01・内周壁東北小堂D11一帯での調査―」(『カンボジアの文化復興』(18)、2001年、同上)
バンテアイ・クデイ遺跡から発見された廃仏
上野邦一「発掘調査と認識の過程」(「大量の廃仏発掘の考古学考察 ―発掘状況から判明する史実―」『カンボジアの文化復興』(19)―バンテアイ・クデイ出土の廃仏274体研究概要および出土仏像・千体仏石柱目録特集―2002年、同上)
上野邦一「偶然の仏像群の発見とどのように埋めたかを考える ―3度の発掘調査を通じての新しい見解―」(同上)
上野邦一ほかパネル討論「アンコール王朝の歴史の通説を覆す大発見」(同上)
上野邦一「274体の廃仏の発掘と埋め方をめぐって」(特集:アンコール文明を科学する)(『文化遺産』18、10~13、2004年)
施工技術
上野邦一「クメール建築の施工技術についての一様相」(「日本建築学会大会学術講演梗概集(東海)、1994年)
「遺跡に残る痕跡が語る」『アンコール・ワットを読む』(2005年、連合出版)
石材による特色
上野邦一「クメール寺院において中心区画の周辺にあるラテライト建物について」(「日本建築学会大会学術講演梗概集(九州)、1998年)
「半壊したラテライト建物の復元」『アンコール遺跡の解明 考古学』(2000年、連合出版)
木造建築

アンコール遺跡群では、アンコール・ワットのような石造建築をイメージします。しかし、遺跡群に回廊の屋根に瓦を模した彫刻がなされていたり、遺跡周辺に現在でも瓦が落ちていたりと、木造建築にルーツがあり、またこれらの建造物にも木材が併用され、僧坊など関連建物は木造のであったことが指摘されています。

「レンガや木を構造にもちいるクメール建築」『アンコール遺跡の解明 建築学』(2001年、連合出版)
澤田知香・上野邦一「クメール建築における木工事に関する研究 ―木造扉の施行技術について」(「日本建築学会大会学術講演梗概集(関東)、2001年)
 →ロリュオス遺跡群、
澤田知香・上野邦一「クメール建築における木工技術の研究 ―期壇上にある柱穴について―」(「日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸)、2002年)
 →バコン、プノン・バケン、プレ・ループ、東メポン
澤田知香・上野邦一「クメール建築における木工技術の研究 ―アンコール・ワット寺院に残る、柱穴について―」(「日本建築学会大会学術講演梗概集(東海)、2003年)
 →アンコール・ワット
澤田知香・上野邦一「クメール建築における木工技術の研究 ―崇拝物の覆屋の柱穴痕跡について―」(「日本建築学会大会学術講演梗概集(北海道)、2004年)
 →バコン、プノン・バケン、バンテアイ・スレイ、タ・ケウ、バンテアイ・サムレイ、アンコールワット、バンテアイ・クデイ、タ・プロム、
澤田知香・上野邦一「クメール建築における木工技術について ―基壇に残る柱穴痕跡から―」(「日本建築学会技術報告集」第21号、2005年)
 →バコン、プノン・バケン、プレ・ループ、アンコール・ワット、東メポン、
澤田知香・上野邦一「クメール建築における木造建造物に関する研究 ―扉枠の設置方法の選択要因―」(「日本建築学会大会学術講演梗概集(近畿)、2005年)
 →アンコール・ワット、バンテアイ・サムレイ、バンテアイ・クデイ、タ・プロム、
澤田知香・上野邦一「クメール建築における木工技術の研究 ―アンコール・ワット寺院に残る柱穴について その2―」(「日本建築学会大会学術講演梗概集(九州)、2007年)
 →アンコール・ワット
澤田知香・上野邦一「クメール建築における木造建造物に関する研究 ―その1.レリーフに画かれる建物の平面形態と屋根形態について―」(「日本建築学会九州支部研究報告第47号、2008年)
 →バイヨンのレリーフ、
澤田知香・上野邦一「クメール建築における木造建造物に関する研究 ―その2.レリーフに画かれる建物群の建物配置について―」(「日本建築学会九州支部研究報告」第47号、2008年)
 →バイヨンのレリーフ、東メポン、プレ・ループ
澤田知香・上野邦一「バンテアイ・スレイ、タ・プロム寺院の木造小屋組に関する復原的考察:クメール建築における木工技術について」(日本建築学会計画系論文集 第73号、2008年)
→ バンテアイ・スレイ、タプロム
アンコールをつくった人々
「アンコールの石工たち」『アンコール遺跡の解明 建築学』(2001年、連合出版)
産業遺跡
上野邦一「アンコール遺跡バカン(VAKAN)窯・タニ(TANI)窯跡踏査報告」(『カンボジアの文化復興』(13)1991年、同上)